【化学式】
元素記号を用いて物質を表したものを〔 化学式 〕という。物質は粒子(原子や分子)の集まりなので,その粒子を元素記号を使って表す。化学式は少しずつ覚える。
例) 鉄 … 鉄原子が集まっている ⇒ 化学式は〔 Fe 〕
塩化ナトリウム… ナトリウム原子と塩素原子が1:1で集まっている⇒〔 NaCl 〕
水 … 水分子が集まっている ⇒ 化学式は〔 H2O 〕
逆に化学式からどんな粒子が集まってできているかが分かる。
化学式の書き方
①金属,炭素,硫黄,リン,ケイ素
その原子が多数集まってできている ⇒ その原子の元素記号をそのまま書く。
②金属と非金属からできているもの
金属の原子と非金属の原子が一定の比(割合)で多数集まってできている。現時点では次のものについて化学式を書けるようにすればよい。
「酸化~」:金属原子と〔 酸素 〕原子 (「~」には金属が入る)
「塩化~」:金属原子と〔 塩素 〕原子
「硫化~」:金属原子と〔 硫黄 〕原子
金属原子と非金属原子の比はそれぞれの原子の手の数(下にあるものは覚えておく)から考えるとよい。金属原子と非金属原子の手の数が同じになるような比にする。
例)酸化ナトリウム(ナトリウム原子と酸素原子)
Na原子は手が〔 1 〕本,O原子は手が〔 2 〕本なので,手の数を同じにするには,Na原子〔 2 〕個(手の数は合計で2本)とO原子〔 1 〕個(手の数は合計で2本)の比(割合)にする。つまり〔 Na2O 〕とする。
書き方は,金属,その比,非金属,その比の順に書く。数字は小さく下につける。
例題 次の物質の化学式を書け。
①硫化ナトリウム ②酸化鉄(鉄の手は3本) ③塩化アルミニウム ④塩化マグネシウム ⑤酸化バリウム
①Na2S ②Fe2O3 ③AlCl3 ④MgCl2 ⑤BaO
③分子からできているもの
いくつかの非金属の原子が結合してできた粒子が分子である。その分子が多数集まってできている。化学式は,それぞれの分子をつくっている原子が何かを覚えて,それらの原子の手が余らないように手をつながせ原子の数を考える。
例)水
水は〔 水素 〕原子と〔 酸素 〕原子からできていることを覚えておく。H原子は手が〔 1 〕本,O原子は手が〔 2 〕本なので,H原子〔 2 〕個(手の数合計2本)とO原子〔 1 〕個(手の数合計2本)で結合するので,化学式は〔 H2O 〕となる。
書き順は,Si>C>P>N>H>S>I>Br>Cl>O(一部だけ表示)の優先順位があり,優先順位の高い方を先に書く。HとOではHの方が高いのでHを先に書く。
ただし,手を余らせている分子も存在するので,現時点では次の分子を覚えてしまえばよい。
【物質の密度】
10cm3の水の質量は10gである。また,20cm3の油の質量は16gである。
この水10cm3と油20cm3ではどちらが重いかというと,油の方が重い(左下)。水と油は混じりあわないので,両方を1つの容器に入れると,どちらかが浮きどちらかが沈む。では,この水10cm3(10g)と油20cm3(16g)を1つの容器に入れるとどちらが上にくるだろうか。実際にやってみると油の方が上にくる(右下)。
浮くか沈むかは,体積を同じにしたときの質量で考えるとわかる。この水と油の1cm3あたりの質量を求めてみよう。質量を体積で割ればいいので,
水 10/10=1〔g/cm3〕 油 16/20=0.8〔g/cm3〕
この1cm3あたりの質量を〔 密度 〕という。密度の単位は〔 g/cm3 〕(グラム毎立方センチメートル)が使われる。この単位は,分数と同じでcm3分のgの意味になる。( 密度〔g/cm3〕=質量〔g〕/体積〔cm3〕,密度の小さいほうが浮く。)
例題 ある物質の質量は32gであった。またこの物質の体積を測定したところ40cm3であった。この物質の密度はいくらか。
32/40=0.8〔g/cm3〕
それぞれの原子には決まった質量があるので,物質をつくっている粒子(原子や分子)にも決まった質量がある。また粒子のつまり具合が異なる。そのため,物質の密度は,それぞれの物質で固有の値(決まった値)を示す。文献(資料)で調べればその値が示されているので,物質の密度を測定して文献の値と比較すると「その物質が何であるか」や「その物質に不純物が含まれているかどうか」の判断ができる。
例題 メスシリンダーに金属片を入れ,メスシリンダーの水位の変化を測定した。メスシリンダーの水位は図1から2のように変化した。また,いくつかの金属の密度を表に示した。後の問いに答えよ。
(1) 図1および図2の水位はそれぞれ何cm3か。
(2) この金属片の体積は何cm3か。
(3) この金属片の質量は117gであった。この金属の密度は何g/cm3か。
(4) この金属は何と考えられるか。
(1) 液面のへこんだところをよむ。図1 30cm3 図2 43cm3
(2) 43-30=13〔cm3〕
(3) 117/13=9〔g/cm3〕
(4) 銅